災害時の水まわり対応
― 断水・停電・浸水のとき
ナカソネ住設株式会社(TOTOメンテナンス代行店)/最終更新:2026年9月15日
災害により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
水道や電気が止まったとき、ご自宅の水まわりをどう使えばよいかをまとめました。地震・大雨・台風・停電、どの災害でも同じようにお使いいただけます。
これだけはやらないでください
- トイレのタンクに、バケツなどで直接水を入れない 洗浄不良やつまり、タンク内の電気部品の故障の原因になります。水は便器のなかへ直接流してください。
- 水をかぶった電気製品は、乾いたように見えても使わない 内部がさびて、漏電・発煙・発火のおそれがあります。ウォシュレット、給湯器とリモコン、浴室暖房乾燥機など。
- 排水管が壊れている、下水があふれているおそれがあるときは、水を流さない 流した水が室内へあふれます。確かめ方は「1. 断水中」をご覧ください。
- ガスのにおいがしたら、何もせずに屋外へ離れ、ガス会社へ連絡する 電気のスイッチに触れず、火も使わないでください。くわしくは日本ガス協会「ガス臭いと感じたら」をご覧ください。
1 断水中 ― トイレを流す
流す前に、この3つを確認
- 自治体が「下水道の使用を控えて」と言っていないか
- 便器や排水口から水があふれる・ゴボゴボ音がする・下水のにおいが強い、といったことがないか
- 建物に大きな傾きやひび、床下・壁からの水漏れがないか
1つでも当てはまるときは流さず、携帯トイレ(凝固剤つき)を使ってください。便器の水を汲み出し(ゴム手袋を)、ポリ袋を二重にかぶせ、内側の袋に用を足して凝固剤を入れます。使用後は口を固く縛って処分し、手指を消毒してください。処分方法は自治体の指示に従ってください。
問題がなければ、断水中でもバケツの水を便器に直接流せばトイレは使えます。タンクレス・自動洗浄でも同じです。
- 便座と便ふたを上げる。手で持ち上げて構いません。
- バケツ1杯(6〜8L)を一気に流し込む。便器の中心をねらって。この「一気に」が流す力になります。
- 続けて、静かに3〜4L。においや虫を防ぐたまり水を戻すためです。
- 2〜3回に1度は、多めの水(10〜12L)を。汚物が配管に残るのを防ぎます。
機種ごとの手順と動画:レバーハンドルがあるタイプ/ないタイプ(タンクレスなど)(TOTO)
断水中に済ませておくとよいこと
- 給湯器の給水の止水栓を閉じる。とくにエコキュート・電気温水器。復旧した瞬間に濁り水や砂が内部へ入るのを防げます。閉じるのは通水前が確実です。
- エコキュート・電気温水器のタンクの水は、生活用水に使えます。数百リットルあります。飲用にはできません。
浴槽に水をためておくときは、小さなお子さまの溺水にご注意ください。消費者庁・こども家庭庁は「入浴後は浴槽の水を抜く習慣を」「ベビーゲートなどを設置し、子どもだけで浴室に入れないように」と案内しています。ためる場合は、風呂ふたを閉めるだけでなく、浴室に入れない仕組みを併せてください。ポリタンク等での保管も同様に生活用水としてお使いください。
2 断水が復旧したあと
復旧直後は、水道管に入った空気や砂・サビが機器へ流れ込みます。順番を守るだけで、多くの故障は防げます。
- いきなりトイレを流さない。まず屋外の単水栓(ひねるだけの蛇口)を開けて、水が透明になるまで出します。屋外に無ければ、お風呂やキッチンなどトイレ以外の蛇口で。浄水器つきの蛇口は避けてください。
- 水が澄んでから、給湯器の止水栓をゆっくり開ける。断水中に閉じていた場合です。
- トイレで「大」を1回流す。タンクにきれいな水が入るのを確認します。
- 食洗機・洗濯機は、そのあとで。
復旧後によくある症状(ご相談ください)
- トイレタンクへの給水が遅い、水がたまらない
- ウォシュレットの自動開閉・自動洗浄が動かない、水の出が弱い
- 蛇口から水が出ない、勢いが極端に弱い
異物によるフィルターや弁の詰まりが原因のことが多く、清掃や部品交換で直るケースがほとんどです。
3 停電中
トイレ
タンクレス・自動洗浄は、停電中はリモコンで流せません。「1. 断水中」と同じバケツの方法で流してください。レバーハンドルがあるタイプは、断水していなければレバーを回せば流せます。
洗面・キッチンの自動水栓
センサー式・タッチ式には、機種によって停電時用の「手動弁」があります。有無・位置・操作方法は機種で大きく異なります。取扱説明書か、下記TOTOの対応機種表でご確認ください。
手動弁が見当たらないとき、それらしい部品を推測で回さないでください。水が止められなくなります。
浴室
おそうじ浴槽は、停電中は自動で排水・給水ができません。浴槽内の排水栓を真上に引き抜けば排水できます。水をためたいときは、排水栓を外してから非常用ゴム栓を排水口にまっすぐ差し込んでください。
電気が戻ったあと
復電時は「通電火災」にご注意ください。電気が戻る前に、使わない機器のプラグを抜いておいてください。とくに電気ストーブやアイロンなど発熱する機器は、勝手に動き出すと火災になります。焦げくさいにおい・異音・煙があれば、すぐブレーカーを落として電力会社へ。
- 浴室暖房乾燥機やおそうじ浴槽は、機種によって設定が初期状態に戻ることがあります。
- 復電後にウォシュレットが動かないときは、プラグの抜き差しで復帰することがあります。ただし水をかぶった形跡があるときは、絶対に通電しないでください。
機種ごとの手順と対応機種表:TOTO「停電時」
4 水につかったとき
家に戻る前に、これだけは
- ガスのにおいがしたら、中に入らず、屋外へ離れてガス会社へ。
- 切れて垂れ下がった電線・倒れた電柱には近づかない。太陽光発電設備は、水に浸かっていても発電しています。
- 長袖・厚手のゴム手袋・ゴム長靴・マスクを、家に入る前に。下水や油、ガラス片、釘が混ざっています。
- 片付ける前に写真を。浸水の高さが分かるように、家の外からも四方向から。罹災証明や保険で必要になります。
建物に大きな傾きやひび、土砂があるときは入らないでください。判断に迷ったら、無理に入らず市町村へご相談ください。片付けの進め方は「水害にあったときに」(震災がつなぐ全国ネットワーク・PDF)がまとまっています。
壁に残った跡が、水がどこまで来たかを示します。その高さが写るように撮ってください。
浸水した水まわり機器は、点検を受けるまで使わない
外から見て無事でも、内部に泥水が入っていると、あとから漏電・発煙・発火につながります。動いたから大丈夫とは判断しないでください。
- 給湯器(ガス給湯器・エコキュート・電気温水器)とリモコン ― 屋外設置でも対象です。メーカーは浸かった高さの基準を示していません。程度にかかわらず点検を
- ウォシュレット/浴室暖房乾燥機・換気扇/食洗機・洗濯機
いずれも、点検を受けるまで電源を入れないでください。
トイレ・排水口から水や泥が上がってくる
豪雨のときは下水管が満水になり、トイレや風呂場、洗濯機の排水口から水が吹き出ることがあります。ご自宅の詰まりが原因ではありません。
下水管が満水になると、家の中でいちばん低い排水口から水が上がってきます。
- 水を流すのをやめる。トイレ・洗濯機・浴室すべて。
- 「水のう」でふさぐ。45リットル程度のゴミ袋を二重・三重にし、半分(20リットル程度)まで水を入れて口をきつく縛り、便器の中や排水口の上に置きます。
- 自治体の下水道担当へ連絡する。
袋を二重にするのは、破れて水がもれるのを防ぐためです。
汚水が入った場所の後始末
泥をかき出して洗い流し、乾かしてから消毒します。汚れた状態では消毒剤は効きません。消毒の方法と薬剤は、お住まいの自治体(保健所)の案内に従ってください。作業中は換気し、薬剤を混ぜないでください。浸水した井戸の水は、水質検査で安全が確認できるまで飲用にしないでください。
大雨・台風が近づいているとき
- 浴槽に水をためておく(断水時の生活用水になり、水のうの材料にもなります)
- 屋外の排水溝・雨どい・ベランダの排水口の落ち葉を取り除く
- 止水栓と元栓の場所を、明るいうちに確認しておく
- 屋外に置いている物を屋内へ入れる
どれも、雨が降り出す前なら10分で済みます。
参考:TOTO「台風/豪雨のときの対応について」/ノーリツ「台風・豪雨・落雷の場合」
5 地震のあと
トイレタンクの水が止まらない
揺れでタンク内の浮き玉が外れていることがあります。
- 止水栓を閉め、温水洗浄便座のプラグを抜く。
- タンクのふたを真上に垂直に持ち上げる。重い陶器製で、割れると鋭利です。床にタオルを敷いて両手でゆっくり。手洗い管(ふたの上の蛇口)つきは、ふたが給水管につながっています。先に接続を外す必要があるので、判断がつかないときは持ち上げずにご相談ください。
- 浮き玉が正しい位置にあるか確認する。
水が止められないとき
便器まわりの止水栓をマイナスドライバーなどで閉めます。固くて回らないときは、無理に回さないでください(配管を折ると被害が大きくなります)。そのときは家全体の元栓を。戸建ては敷地内の水道メーターボックス、集合住宅は玄関横のパイプシャフト内にあることが多いです。
揺れのあとに見ておきたいところ
- 便器と床のあいだ、給水管の接続部からの水漏れ
- 給湯器の転倒・傾き、配管の変形(傾いたまま使わない)
- 排水のにおい(たまり水が抜けると上がってきます。水を少し流せば戻ります)
参考:TOTO「地震時」
6 メーカーの災害時サポート
災害で被害を受けた製品には、メーカーが災害ごとに特別対応(点検の無料化など)を行うことがあります。対象・地域・期間はそのつど異なります。下記でご確認のうえ、各メーカーへ直接お申し込みください。
- TOTO ― お知らせ一覧(「お客様サポート特別対応のお知らせ」)
- LIXIL ― 重要なお知らせ(「災害時の点検に関するお知らせ」)
- 給湯器・ガス機器などは、各メーカーの公式サイトをご確認ください
品番の見つけ方:トイレは便器の側面や便座の裏、給湯器は本体前面のシール。被害の写真と品番を控えておくと、申し込みが早く進みます。
ご自身での対応が難しいときは
被災された地域からのご依頼も受け付けています。状況により通常よりお時間をいただく場合がありますが、まずご連絡ください。応急処置の方法だけでもお伝えします。
お電話(通話無料)0120-76-0339電話受付:平日・土曜 9:00〜17:30/時間外はフォームより24時間受付、翌営業日中にご連絡します
フォームで修理を依頼する水まわり以外のこと
- ガスのにおいがしたら(日本ガス協会)
- 台風・水害のときの電気(電気事業連合会)
- 水害にあったときに ― 浸水被害からの生活再建の手引き(PDF)
- 気象庁「防災情報」
- 断水・給水所・避難の最新情報は、お住まいの市町村でご確認ください。
※本ページは当社が現場での経験にもとづきまとめたもので、TOTO株式会社の公式見解ではありません。製品の取り扱いは取扱説明書とメーカー公式情報をご確認ください。
※当社は水まわりの会社です。建物の安全、電気、ガスについては、専門の事業者・自治体の案内を優先してください。
※操作方法や使用の可否は機種により異なります。判断に迷う作業は、行わずにご相談ください。
※建物や配管の損傷、浸水、ガスのにおいなど危険が疑われるときは、ご自身で作業せず、自治体・ライフライン各社・消防へご連絡ください。