断水・停電時の水まわり対応

2026年8月3日 公開/ナカソネ住設株式会社

2026年7月28日に発生した地震(気象庁命名「令和8年熊本地震」)により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。皆さまのご無事と、一日も早い復旧を心よりお祈りいたします。

広い範囲で断水・停電が続いており、地域によっては復旧工事にともなう一時的な断水も行われています。このページは、水道や電気が止まっているあいだ、ご自宅の水まわりをどう使えばよいかを、日ごろ現場で修理にあたっている立場からまとめたものです。復旧したあとに起きやすい故障と、その防ぎ方についても書いています。

はじめに ― これだけはやらないでください

  • 余震が続いています。ひとりで無理な作業をしない 気象庁は「地震発生から1週間程度、最大震度7程度の地震に注意」と呼びかけています(2026年7月28日発表)。タンクのふたを外す、工具で止水栓を回すといった作業は、揺れが来たらすぐ手を離して身を守れる姿勢で、できれば2人で行ってください。
  • トイレのタンクに、バケツなどで直接水を入れない 洗浄不良やつまり、タンク内の電気部品の故障の原因になります。水は便器のなかへ直接流してください(手順は下記)。
  • 水をかぶった電気製品は、乾いたように見えても使わない 表面を拭いても内部の部品がさびていることがあり、漏電・発煙・発火のおそれがあります。ウォシュレット、給湯器のリモコン、浴室暖房乾燥機などが該当します。プラグを抜くときは、先に分電盤のブレーカーを落とし、手と足元が乾いた状態で行ってください。コンセント自体が水をかぶった場合は、プラグに触れずブレーカーを落としたまま、電気工事店にご相談ください。
  • 排水管が壊れているおそれがあるときは、水を流さない 建物や配管が損傷している場合、流した水が室内へあふれることがあります。判断のしかたは次の項をご覧ください。

1. 断水中 ― トイレを流す

流す前に、この3つを確認してください

  1. お住まいの自治体・下水道局が「下水道の使用を控えて」と呼びかけていないか(市町村の災害情報をご確認ください)
  2. 便器や排水口から水があふれる、ゴボゴボと音がする、下水のにおいが強い、といった異常がないか
  3. 建物に大きな傾きやひび、床下・壁からの水漏れがないか

1つでも当てはまるときは、流さないでください。その場合は携帯トイレ(凝固剤つき)を使います。便器の水をできるだけ汲み出し、便器にポリ袋を二重にかぶせ、内側の袋に凝固剤を入れて使用します。使用後は内側の袋の口を縛って処分してください(処分方法は自治体の指示に従ってください)。

上の3点に問題がなければ、断水していてもバケツの水を便器に直接流せばトイレは使えます。電気で流すタイプ(タンクレス・自動洗浄)でも同じ方法が使えます。

  1. 便座と便ふたを上げます。手で持ち上げて構いません(停電中で自動開閉が効かなくても問題ありません)。
  2. バケツ1杯分(6〜8L)を一気に流し込みます。水が飛び散らないよう、便器の中心をねらってください。この「一気に」が排水するための力になります。
  3. 続けて、静かに3〜4Lを流します。封水(においや虫を防ぐ水のたまり)を戻すための水です。
  4. 2〜3回に1度は、多めの水(10〜12L)を流してください。汚物が配管に残るのを防ぎます。

機種ごとの詳しい手順と動画(TOTO お客様サポート):タンクにレバーハンドルがあるタイプレバーハンドルがないタイプ(タンクレスなど)

断水中に、いま済ませておくとよいこと

  • 給湯器の給水配管専用止水栓を閉じてください。とくにエコキュート・電気温水器では、水道が復旧した瞬間に濁り水や砂が機器の内部へ入り込みます。あとから対処するのではなく、通水前に閉じておくのが確実です。
  • エコキュート・電気温水器をお使いなら、タンクの中の水を生活用水として取り出せます。数百リットルたまっています。飲用にはできませんが、トイレや手洗いには十分使えます。取り出し方は機種によって異なるので、取扱説明書をご確認ください。

水の確保について:今後の断水に備えて浴槽に水をためておく方法があります。ただし小さなお子さまや介護が必要な方がいるご家庭では、浴槽の水は溺水事故の原因になります(消費者庁も注意喚起しています)。ためる場合は浴室のドアを閉め、風呂ふたを閉め、お子さまだけで浴室に入れないようにしてください。ポリタンクや、清潔なゴミ袋を二重にした容器での保管もご検討ください。

2. 断水が復旧したあと ― 故障を防ぐためにすること

断水が復旧した直後は、水道管に入り込んだ空気や砂・サビが機器へ流れ込みやすく、例年、故障のご相談が増える時期です。次の順番を守るだけで、多くは防げます。

  1. いきなりトイレを流さない。まず浴室やキッチンなど、フィルターの少ない蛇口を開けて、空気と濁った水を出し切ります(浄水器がついている蛇口は避けてください)。
  2. 水が澄んだのを確認します。途中で濁りが戻ることがあるので、しばらく出し続けてください。
  3. そのあとで、給湯器の止水栓をゆっくり開けます。断水中に閉じておいた場合です。急に全開にせず、少しずつ開けてください。
  4. トイレで「大」を1回流します。タンクにきれいな水が入るのを確認してください。
  5. 食洗機・洗濯機も、この順番のあとで使い始めてください。

復旧後によくある症状(ご相談ください)

  • トイレタンクへの給水が遅い、いつまでも水がたまらない
  • ウォシュレットの自動開閉・自動洗浄が動かない
  • ウォシュレットの水の出が弱い、出ない
  • 蛇口から水が出ない、勢いが極端に弱い

いずれも異物によるフィルターや弁の詰まりが原因のことが多く、清掃や部品交換で直るケースがほとんどです。

参考:TOTO お客様サポート「断水/給水制限」

3. 停電中 ― 電気が止まっているときの水まわり

トイレ

タンクレストイレや自動洗浄タイプは、停電中はリモコンで流せません。上記「1. 断水中」と同じバケツの方法で流してください。便ふた・便座は手で開閉して構いません。タンクにレバーハンドルがあるタイプは、断水していなければ停電中でもレバーを回せば流せます

洗面・キッチンの自動水栓

センサー式・タッチ式の水栓には、一部の機種にかぎり停電時用の「手動弁」があります。ただし手動弁の有無・位置・操作方法は機種によって大きく異なり、すべての水栓にあるわけではありません。取扱説明書、または下記TOTOのページの対応機種表で、ご自宅の品番をご確認ください。

手動弁が見当たらない場合、それらしい部品を推測で回さないでください。止水栓や給水ホースの接続部を誤って開くと、水が止められなくなり水漏れの原因になります。

浴室

おそうじ浴槽(自動洗浄付きの浴槽)は、停電中は自動で排水・給水ができません。浴槽内の排水栓を真上に引き抜くと排水できます。水をためたいときは、排水栓を取り外したあと、付属の非常用ゴム栓を排水口にまっすぐ差し込んでください。

電気が戻ったあと

復電のときは「通電火災」に注意してください。地震で傷んだ配線や、水をかぶった機器に電気が流れて出火することがあります。電気が戻る前に、使わない機器のプラグは抜いておいてください。復電後は、焦げくさいにおい・異音・煙がないかを確認し、少しでも異常があればすぐブレーカーを落として電力会社へご連絡ください。

  • 浴室暖房乾燥機(三乾王など)やおそうじ浴槽は、機種によって設定が初期状態に戻ることがあります。時刻や運転モードをご確認ください(再設定が不要な機種もあります)。
  • 自動水栓は、開けておいた手動弁を閉じると、再びセンサーで使えるようになります。
  • 復電後にウォシュレットが動かない場合は、電源プラグの抜き差しで復帰することがあります。ただし水をかぶった形跡があるときは、絶対に通電しないでください。

機種ごとの詳しい手順と対応機種表:TOTO お客様サポート「停電時」

4. 地震のあとに確認すること

トイレタンクの水が止まらない

揺れでタンク内の浮き玉(浮球)が外れていることが原因の場合があります。

対象:タンクの底面から給水ホースが出ているタイプです。それ以外の機種、および手洗い管(ふたの上の蛇口)がついているタイプは、ふたが内部のホースにつながっていることがあり、持ち上げるとホースを引きちぎるおそれがあります。ご自身で外さず、ご相談ください。

  1. 先に止水栓を閉め、温水洗浄便座の電源プラグを抜きます。
  2. タンクのふたを真上に垂直に持ち上げます。陶器製で5kg近くあり、割れると鋭利になります。床に段ボールやタオルを敷き、両手でゆっくり置いてください。
  3. 浮き玉が正しい位置に付いているか確認します。外れていれば、正しく取り付けてください。

水が止められないとき ― 止水栓と元栓

  1. まず、便器まわりの止水栓(壁または床から出ている配管の栓)をマイナスドライバーなどで閉めます。
  2. 固くて回らないときは、無理に回さないでください。配管を折ってしまい、被害が大きくなります。
  3. そのときは家全体の元栓を閉めます。戸建ては敷地内の地面にある水道メーターボックスの中、集合住宅は玄関横のパイプシャフト内にあることが多いです。

浸水した機器

床上浸水があった場合、ウォシュレット・給湯器・浴室暖房乾燥機などは乾かしても使わないでください。点検・交換が必要です。

参考:TOTO お客様サポート「地震時」タンク内の水が止まらない場合の対応方法

5. メーカーの災害時サポート窓口

地震で被害を受けた製品については、各メーカーが災害時の特別対応(点検の無料化など)を行っています。対象となるのは、地震による被害を受けた製品です。地震と関係のない不具合や経年劣化による故障は、通常どおりの修理(有料)となります。

対象となる地域・期間・受付方法はメーカーごとに異なり、変更されることもあります。詳しい条件とお申し込みは、各社の公式ページでご確認ください。お申し込みは各メーカーへ直接お願いします。

メーカー名と品番の見つけ方:トイレは便器の側面や便座の裏、給湯器は本体前面のシールに記載されています。

水をかぶった製品、揺れのあとに動作がおかしい製品は、使い続ける前に点検を受けてください。

不安な日が続いていると思います。水が出ない、トイレが流せないというのは、生活のなかでいちばん気力を削られることのひとつです。

ここに書いたことは、すべてを今日やる必要はありません。まずは、ご自身とご家族の安全を最優先にしてください。水まわりは、あとからでも必ず直せます。

「これは自分でやっていいのか」と迷ったときは、そのままにして構いません。判断に困ったときこそ、私たちにお声がけください。

ご自身での対応が難しいときは

熊本エリアからのご依頼も受け付けています。ただし被災の状況により、通常よりお時間をいただく場合があります(2026年8月3日時点)。それでもお困りのときは、まずご連絡ください。状況をうかがったうえで、応急処置の方法だけでもお伝えします。

お電話(通話無料)0120-76-0339

電話受付:平日・土曜 9:00〜17:30/時間外はフォームより24時間受付、翌営業日中にご連絡します

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参考・公式情報

※本ページは、当社が現場での経験にもとづきまとめたものであり、TOTO株式会社の公式見解ではありません。製品の正式な取り扱いは、必ず取扱説明書およびメーカー公式情報をご確認ください。
※記載内容は2026年8月3日時点のものです。断水・給水所などの最新情報は、お住まいの市町村の水道局・防災情報でご確認ください。
※実際の操作方法・使用可否は製品の機種により異なります。少しでも判断に迷う作業は、行わずにご相談ください。
※水道の元栓(水道メーターまわり)は自治体によって取り扱いが異なります。開ける際はゆっくり少しずつ開けてください(急に開けると濁りや配管への衝撃の原因になります)。
※建物や配管の損傷、浸水、ガスのにおいなど、危険が疑われる場合は、ご自身で作業せず、自治体・ライフライン各社・消防へご連絡ください。


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